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東口タクシーのりば〜地下鉄のりばへ

東口タクシーのりばにて

○被験者からのコメント

・タクシーの乗車位置に段差があるとアプローチできないため、スロープを付けて欲しい

東口タクシーのりば〜西口へ

○調査員の考察

・東口タクシーのりば(ポルタ北端)から西口への移動は大きく迂回する1ルートのみで、手でこぐ車いすでの移動は大変な負担であった

西口〜地下鉄のりばへ

○支障内容

・西口からサインどおりに進み、地上の地下鉄のりば入口に到着するがアプローチ不可能なため、戻って案内所で尋ねる

・ジョイナス内エレベーターでB2へ至り地下鉄方面へ移動(図5参照)

○支障の発生原因

・車いすで利用可能な経路の誘導が全くないため

○被験者からのコメント

・「この損失をどうしてくれるとの思いだ」

○調査員の考察

・車いす利用者にとって現状のサインは未整備に近い

(ポルタ内には、ターミナルの全体像がつかめ、車いすで利用できる施設を確認できる案内図があった)

・案内図では施設の有無ばかりでなく、どことどこをつなぐエレベーターかなど経路を示す必要がある

・案内所は非常に有効である

○支障内容

・ジョイナスB2と地下鉄改札ホールの接続部に階段があり自力で地下鉄に至ることを断念(図5参照)

○支障の発生原因

・6段の階段(調査員と通行人で地下鉄改札ホールへ担ぎあげる)

○被験者からのコメント

・(被験者の様子に変化、しばらく沈黙後次のコメント)「担がれたとたん、私の脳は閉まってしまった」

・人にケアされるところでは、チャンネルを切り替えるように気持ちが変化し、覚えようとか、自立しようとはしなくなる

・リハビリテーションでは自立を教えるが、介護なしに公共を利用できない

○調査員の考察

・「介護」から「自立」へ社会的な福祉観が転換している中で、現実には自立できる設備は整っていない公共側の基本姿勢が問われる提起がなされた

 

 

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